株式会社バンプレスト様 インタビュー

ARAPPLI導入事例 株式会社バンプレスト様

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株式会社バンプレスト 情報戦略室 謝花浩史 氏に、キャラクター商品の魅力向上とAR技術の関係について詳しく聞きました。
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【バンプレストについて】
バンプレストは、キャラクターマーチャンダイジングを核にして、アミューズメント施設やコンビニエンスストア向けの景品などの企画・開発・販売を行う企業です。最近は、コンビニなどでくじを引いてキャラクター商品を当てる、“ハズレなしのキャラクターくじ”「一番くじシリーズ」が大ヒットしています。

各種キャラクター景品にAR技術を活用

― バンプレストではアララのARソリューションをどう活用していますか。

バンプレストでは、キャラクターグッズくじ、「一番くじ」、アミューズメント施設の「クレーンゲーム景品」の魅力アップのために、アララのARソリューションを活用しています。

弊社がAR技術に関心を持ったのは、2年前、担当役員の「ツルの一声」がきっかけでした。具体的な活用例は次のとおりです。
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キャラクター AR内容 備考
国民的人気の少年漫画のサブキャラクター CG QRコードをスマホで読み取るとキャラクターCGを再生。
女性ファンに人気の
漫画、アニメのキャラクター
キャラマイド
ARポスターセット
ブロマイドやポスターにスマホをかざすと、スマホの中でブロマイド、ポスター上のキャラクターがしゃべり出す。
部数250万部超の、ゆる系美少女コメディ漫画のキャラクター   紙製キャラクタースタンドパネル  スマホをかざすと、パネル上の2次元キャラクターイラストが、スマホの中で3次元CGに変わる。  

AR技術を採用した経緯

― 「担当役員の『ツルの一声』がAR導入の契機になった」とは具体的には。

担当役員は、新しい技術が好きで、常に情報にアンテナを立てています。

2年前のある日、その役員が、私のデスクに近づいてきて、日経新聞の切り抜きを見せながら、「ここに載っている“AR技術”を、景品と絡めてなにかおもしろいことが出来ないか」と言ってきました。

早速、行動を開始しましたが、しかし新聞に出ていた会社(※アララではない会社)のAR技術は、どちらかというと学術研究系の物でした。その研究成果が新聞に記事として出ていたわけです。

実はこのとき私はアララが他社のキャンペーンの実施しているのを知っており、「有名キャラクターのAR販促を手がける会社」として既に認知していました。私としては、弊社で使うのなら、学術ぽい会社より販促系の会社の方が良いだろうと考えたので、アララと組むことに決めました。

その後は、キャラクター商品の企画・開発グループに、「AR、やってみませんか」と私が社内営業してまわり、そうすると各部門から、「それ、新しい」「面白いね」と反応があり、そしてキャラマイドやARポスターセットなど新しいタイプの景品が誕生したわけです。

バンプレストの企画・開発グループでは、AR技術は相当に認知されてきました。今後もいろいろな形で使われていくでしょう。

AR技術の位置付け

― 景品企画・開発での、AR技術の位置付けについて教えてください。

AR技術は、キャラクター景品の魅力向上のための、重要なデジタル技術として位置付けています。

エンターテイメント景品でにとって、最も重要なことは「商品自体の魅力向上」です。お客様に常に「新しい楽しさ」、「驚き」をご提供することで、「バンプレストなら面白いことをやってくれそうだ」と期待感をもたれることが重要です。

だからこそ役員みずからが、常に新しいこと、面白いことを見つけようと、情報収集しているわけです。
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※写真はサンプルです
私が所属する情報戦略室でも、「事業発展のための中長期的な施策を『デジタルの視点』で考えること」がミッションの一つです。

2015年現在、「実用化された、お客様に提供可能な技術」としては、AR技術は最先端の一つだと思うので、個人的に大いに注目しています。

AR技術の良さ

― 「キャラクター商品の魅力を向上させる」という意味で、ARにはどんな良さがあると考えますか。

AR技術は、キャラクター商品の魅力向上に役立つと思うのは、

1. 「喋る」
2. 「動く」
3. 「自分の手元で楽しめる」

という3点です。

魔法のような感覚

― その3つの良さについて、詳しく教えてください。

まず第一の良さ「喋る」ですが、ブロマイドやポスターという物言わぬ「紙の上の絵」、それをスマホにかざすと絵のキャラクターが喋りはじめるという、その体験には、「魔法を見るような驚き」があります。キャラマイドをはじめて体験したお客様が、「すごい、ホントにしゃべった」という驚きの声を漏らしている姿を、実際に見たことがあります。

第二の良さ、「動く」についても同様で、2次元の絵にスマホをかざすと、それが画面の中で3次元の立体CGになって、動きはじめるのは(あるいは、自分で動かすことができるのは)、やっぱりとても不思議です。ARの場合、三次元CGの背景はユーザー周辺の「現実の風景」なので、なおさら不思議感があります。

そして第三の、「自分の手元で楽しめる」という良さですが、私はこれこそがARが楽しい本当の理由ではないかと考えています。

「喋る」「動く」は本当の魅力の源泉ではない

―「『自分の手元で楽しめる』ことがARの楽しさの本当の理由」とは、具体的には。

冷静に考えてみるとマンガのキャラクターが「喋る」「動く」というだけなら、それはすでにテレビアニメで実現しているわけです。しかもAR以上の精密さと迫真性で。

それでもAR技術でキャラクターが喋る(動く)ことには、アニメとは別の魅力、楽しさがあります。それはなぜなのか。一つの理由として「アニメはテレビで見るが、ARはスマホで見る」という、「再生デバイスの違い」があると考えています。

スマートフォンは、いつも持ち歩いて、いつも見ている、それが無くなると自分の何かが欠けたような気がするという、個人所有の電子デバイスの中で最も「自分に近い」デバイスです。

そんな「私のスマホ」の中に、大好きなキャラクターを格納、確保して、しゃべらせたり、動かせたりすれば、ユーザーはキャラクターを「自分のもの」にできたかのような満足感が味わえるわけです。

景品と連動して展開した場合、景品を手にした人のみが、楽しめる限定感がある点も魅力だと思います。 一方、テレビというデバイスにそうした個人密着感はありません。テレビ番組とは、放送局というマス媒体を通じて、全国に一括提供されているコンテンツでありパーソナル性は希薄です。テレビに映っているキャラクターに「私のもの」という感覚を持つことはできません。

実際にはARコンテンツも、多くのユーザーに同じコンテンツが配布されているという点では、テレビアニメと同じ「一律コンテンツ」です。しかしARの場合、「スマホというパーソナルな機器で再生し」、かつ「そこに映る背景は、いま自分がいるこの場所」なので、キャラクターと自分の距離が近くなり、「私のもの感」が生じるわけです。

この「パーソナル感、密着感が高い」という点で、AR技術はキャラクター商品の魅力向上とは、本質的に相性が良いと思います。

AR技術とキャラクター商品の未来

―これからの5年、10年の間にキャラクター商品とARの関係はどう変化すると思いますか。

大きくは「デバイスの進化・変化と共に、AR技術の魅力も増していく」と予想しています。

2015年現在、最も普及している情報デバイスは、「もちろんスマートフォン!」という状況ですが、個人的には、5年、10年先にはどうなっているか分からない、スマホとは違う別のデバイスが主流になっているかもしれない、その可能性もゼロではないと考えています。

しかし、次のデバイスが何になるにせよ、それが「よりユーザーに密着する方向で進化していく」ことは間違いないでしょう。現在、次世代デバイスとしてメガネ型、時計型などが提案されていますが、いずれも「ウエアラブル」であり、ユーザーの身体に密着しています。デバイスが身体に近づければ、それだけユーザー体験も、より直接的、五感的、肉体的になります。

キャラクターのデジタルコンテンツのユーザー体験は、今はまだ「ディスプレイ上で再生される何かを距離を置いて眺める」というものです。でももし将来、デバイスの進化により、キャラクターの映像、声、触覚などの情報を、ユーザーの脳に直接送り込むことが可能になったとしたら?

その時こそARの原義である、「Augumented Reality(拡張現実)」の技術が真価を発揮するでしょう。ユーザーの現実を「拡張」するほどのリアルなキャラクター体験が可能になる、そんな未来を私は予想しています。

バンプレスト(現 (株)BANDAI SPIRITS)公式サイト
※ 取材日時 2015年3月
※ 取材制作:カスタマワイズ

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